手作りにこだわった至極のハンバーガー。夢中になるその味わいとは。「THE BURGER CRAFT(ザバーガークラフト)」

レストラン

言問通り。入谷と墨田川を繋ぐこの通りは、雷門やかっぱ橋など観光地のエリアとは一線を博し現地民の生活に寄り添った場所である。時刻はお昼過ぎ。小学校には走り回っていた子供たちの姿もなく、無機質にチャイムが鳴っている。人通りの少ないこの時間帯は穏やかな雰囲気が流れている。良いタイミングだ。散歩がてらこの通りを散策してみることにした。

桜が散り、生まれたての若葉が少しづつ顔を覗かせる。今年はお花見が出来ずじまいだったが、日々の街の変化に気づくことが増えた。植物や一店一店のお店を眺め歩みを進めると途端に人通りが多くなった。気が付くと商店街の入り口に立っていたのだ。商店街に加え反対側の千束通りも含めたこの辺は昔ながらの香りを残しつつチェーン店やコンビニも多く立ち並ぶ。近頃テレビや雑誌で取り立たされることの多い観音裏。いわゆる“奥浅草”の入り口の様なこの場所は基本住宅地なので所狭しというわけではないが、新旧問わず飲食店もよく構えている。そろそろお昼にしよう。新たな開拓に心が高鳴る。

千束通りに足を踏み込んだ。今日はゆったりと散策を楽しもうと思った矢先、ふっと目を奪われたシックな佇まい。小さな鉄製の看板はハンバーガーを模っている。和のイメージが強いこの土地に突如現れたアメリカンなシンボル。「THE BURGER CRAFT(ザバーガークラフト)」手作りのバーガーということだろうか。魅力的なまで謎に包まれたその店構えに吸い寄せられるが如く、そっと扉に手を掛けた。

惜しまない手間暇と厳選素材

腹の虫を鳴らす肉肉しい香りジューシーで香ばしい香りに思わず生唾が溢れ出てくる店内を見渡すと、綺麗に磨き上げられた鉄の厨房にカウンター。むき出しの電球から溢れる温かな光が反射して何とも言えない穏やかさを放っている。家具や内装のひとつひとつはクールだが、穏やかで居心地の良い空気感が漂っていた。

始めチーズバーガーのためにレシピを考え始めたのだという。CRAFT(=手作り)の名が付く通り、ソースからお肉の配合まで素材や質も選び抜いた食材を使い、そのほとんどを店内で作り上げている。唯一パン屋さんに依頼しているというバンズはリーン系と呼ばれる種類のものを使用。リーン系とは砂糖やミルクで味付けされたふわふわなパンとは対照的にバゲットの様にしっかりとした歯ごたえが特徴的なもの。プロのパン職人にバンズのイメージを伝え、試作試食を繰り返してやっとできたのだという。それに手作りのマヨネーズと数種類のお肉をブレンドしたパテ、素材にこだわったフレッシュな野菜に濃厚なチェダーチーズを組み合わせ、トータルバランスがとれた至高のバーガーを作り上げたのだという。こだわりの点で驚いたのはパテ。牛肉の脂質というのは一年を通して均一という訳ではない。気温の高い夏は脂質が少なく、低い冬は脂質が多い。その時々の仕入れた時期や状態を見ながら、異なる生産地や部位の肉をブレンドして理想のバランスに整えるのだという。繊細で感覚が問われるとともに、非常に手間暇もかかるであろうこの作業も美味しいバーガーを作るには大事な作業なのだという。

待ち時間を彩る鉄板での調理工程

初めて伺った時は決まってレコメンドされているものかベーシックなものを頼む。メニューの一番上に目立って載っていた「STANDARD CHEDDAR CHEESE BURGER」とコーラを注文。ポテトはセットで付いてくるのだという。楽しみは多ければ多いほど嬉しい。

前払いを済ませ、背の高い椅子に腰を掛ける。ジュワジュワと音を立てて鉄板にバターが溶けていく。バンズが投下され、芳醇で香ばしい香りが店中に広がる。夢のような心地だ。激しい音を立てて食欲を刺激したのは満を持して登場のパテ。上に乗せたチーズは瞬く間にパテにフィット。ポテトが揚がる。香りや音の変化が豊かな鉄板ならではのこの楽しい感じ。出来上がっていく様を見ているだけでワクワクする。10分ほど経ったころ、見事なまで同時にすべての工程が終わった。いよいよといった感じで背筋が伸びる。いつもとは違う特別なハンバーガー。一体どのような味わいなのだろうか。

目まぐるしく変化する味わい

平らな木の器にちょこんと乗ったハンバーガー。楕円の様な綺麗なシルエットで可愛らしい。形をそのままにそっと固定用の針を抜き一気に齧りつく。

肉肉しい。脂を封じ込めているためパサパサ感はなく、粗びきも相まってプリプリとした食感のパテ。ジューシーさと旨味が一口目から強烈なインパクトを放つ。チェダーチーズのコクと濃縮された旨味。パテに染みたバターがサクッとした食感と共に舌に広がり小麦の芳醇な香りが抜ける。フレッシュな野菜に絡み合うマヨネーズソースは、市販のものの様にドロッとした感じは無くサラッとしており、程よく心地良い酸味と優しいまろやかさでバーガー一体を包み込んでくれているようだ。旨味、香り、食感が目まぐるしく混ざり合うたびに変化していき、満たされていく。間につまむポテトは外側サクッと中はトロっとマッシュポテトの様な不思議な舌触りをしている。粗塩の塩味がトロトロとしたジャガイモを引き立たせ、病みつきになる美味しさだ。コーラで流し込み、ついつい笑みがこぼれる。

素材を生かしたハンバーガー。ひとつひとつのポテンシャルに驚くと共に味わいの変化に感動する。ハンバーガー=ジャンクフードというイメージが全く覆される食事の楽しみが詰まった最高の逸品であった。

やはりメインはチーズバーガーだが、他にも様々なトッピングを追加したメニューが沢山ある。ベーコンを乗せたものや、ハニーカマンベール&ドライトマトバーガーといった珍しいものもある。始めはやはりこだわりのチーズバーガーを食べて欲しいが、2度目からはトッピングで変化する味わいを楽しむのもいいかもしれない。

ジャンクで体に悪いというイメージを払拭したいという店主。同じ形状をしていても、そのお店によってハンバーガーの個性や味わい、素材は様々。より多くのグルメな人、食事を楽しみたい人にもぜひ味わってみて欲しい「THE BURGER CRAFT」のバーガー。きっと夢中になることだろう。

THE BURGER CRAFT(ザバーガークラフト)
住所  :東京都 台東区 浅草 3-17-3 1F
営業時間: 緊急事態宣言の関係上、営業時間は随時変動
定休日 :月曜日 (祝日の場合は翌日)
電話番号:03-6324-5741

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