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お箸で食べるガレットと国産のクラフトシードル。日本のスタイルでいただくフランス料理の新しい形。「Fleur de Sarrasin(フルール ド サラザン)」

レストラン

かっぱ橋道具街と国際通りの中間、ここは飲食店の名店が多い。歴史深いこの町。加えて世界から料理人が集まるかっぱ橋という立地とあってどのお店も技が光る素晴らしいお店ばかり。道すがらチラチラとお店を覗いてみる。料理のカテゴリーはみんなバラけていて面白い。ここら辺はガヤガヤとした賑わいはなく爽やかで、散歩していると心が洗われるようである。

探索しつつ歩いていると手書きの看板を発見。「Fleur de Sarrasin(フルール ド サラザン)」ガレットとシードルのお店なのだそう。気になってお店を探してみると奥まったところに軒先を発見。隠れ家の様な印象でとてもワクワクする。心を躍らせ、扉を開いた。

フランス・ブルターニュ地方のガレットとシードルの歴史

入って右には強いインパクトを放つ大きな石臼が鎮座している。内装は和風なのにところどころ洋の要素を感じられ、なんだか不思議な感じだ。ここFleur de Sarrasinは2019年の4月にオープン。国産のそば粉で作ったガレットと国産のクラフトシードルを扱っている。話をしていただいた玉越(たまこし)氏は、国内外から人が集まるこの土地で国産のガレットとシードルの味わい、和テイストの新しい形を多くの方に知ってもらいたくここに出店したという。そもそも、ガレットとはどういう料理なのかあまりピンと来ない人も多いのではないだろうか。ガレットとは主にフランスのブルターニュ地方で食べられるそば粉を原料とした主食である。クレープの様に、生地を伸ばして薄く焼き上げ卵やハムと一緒に食べるのが基本のスタイルで、本場では日常的に親しまれている。また、シードルも同じくフランスのブルターニュ地方でよく飲まれているものなのだそう。フランスのお酒と言えばフランスワインがイメージとして強いが、ブルターニュ地方はワインの原料であるブドウを育てるのに向かない気候だった。その代わり育てるのに適していたリンゴを使って発泡酒を作り始めたのだという。衛生的に生水を飲むことが推奨されなかったという背景もあり、水代わりに常飲することでさらに根付いていったのである。

昔から親しまれたこの2つは必然にも一緒にいただくことが多いのだそう。このフランスブルターニュ地方の味をFleur de Sarrasinでは日本のスタイルにして提供している。一体その日本のスタイルとはどういうものなのだろうか。

お箸でいただく日本スタイルのガレット

ここではガレットはお箸で、シードルは陶器でいただく。ガレットといえば具を乗せた平たいものをナイフフォークで食べるというのが一般的。お箸では食べづらいのではないのだろうか。ガレットを見てみると、くるくると棒状に巻かれた生地を等分にカットされており想像と全くかけ離れたものであった。まるでお寿司の様にちょこんと並べられている姿は可愛らしく、新しい。この形状はとても便利で、様々な味のものを少しづつシェア出来るのだという。このお店のガレットは大きく2種類「黒ガレット」と「白ガレット」に分かれる。黒は食事ガレットで蕎麦の実をまるごと使う全粒粉。白はデザートガレットでさらしな粉を中心にブレンドしたもの。

その日の朝に挽いたそば粉100%のため香りが高い。そば粉本来の味わいと香りを一番に楽しんでもらいたいという玉越氏。卵、チーズ、ハムが入ったベーシックなものも置いているのだが、特におすすめしているのは生地そのものを楽しむガレット。何も他の味を入れることなく純粋に素材を100%味わうことができる。また、オリーブオイルと塩のみのものや、珍しい海藻バターというメニューがある。海藻バターは名前の通り海藻をバターに練りこんだ自家製のもの。生地とバターを楽しめる他ではあまり味わえない一品だ。他にもベーシックなものはもちろんのこと、チャレンジするメニューは日本のエッセンスを加えている。そばつゆを添えたりわさびや柚子胡椒を使ったりニシンを入れてみたり。季節感を意識して作っているのだそう。興味を惹くメニューは多数。小さく切ってあると色々なものを少しづつシェアできて嬉しい。

多様な個性が光る国産クラフトシードル

また、大きなこだわりとして挙げているのが”国産”。先述にも合った通り、そば粉はすべて日本で作られた実を使用している。加えてシードルも日本で作られた国産クラフト(手作り)のものを提供。シードルは常時およそ30種類以上を取り扱っており、全体の95%は酒屋を通さず直で仕入れているという。直に取引を行う理由は作り手の想いをしっかり汲むためにあった。生産者の方々に挨拶したり、直接お話ししたところをラインナップに置き、その背景をお客様に伝えているのだそう。ここ4,5年で青森や長野を始めとした国内でのクラフトシードルを作る生産者は増えてきた。国産の個性や味わいを知ってもらうため、加えて生産者の取り組みを発信したい気持ちが強いのだという。一口にりんごの発泡酒といっても作り方によって様々な個性が出てくるという。ホップを使用したビールテイストのものであったり、タンニンをしっかり活かしたワインっぽいものであったり。また、日本酒の酵母を使った辛口の吟醸香のするシードルもあるのだとか。よくわからなかったり、甘いイメージという方も多いと思うが、ドライなものも多く様々な個性のシードルがある。一杯目はビールテイスト、お肉が強ければワインテイスト、ポテトサラダやそば味噌には日本酒テイストなどシーンや食事に合わせて楽しめるのも大きな魅力のひとつだ。

愛国心と生産物への愛

どちらもこだわりや想いが詰まったガレットとシードル。日本のスタイルを提示するきっかけとなったのが料理の勉強のため本場に滞在した時のことであった。もちろんガレットやシードルについてもそうだが、勉強になったのはフランス人の愛国心と生産物に対しての想いだという。自分たちの国や土地、生産物や料理への愛情は目を見張るものがあった。改めて考えると日本にもそばやりんごの文化があって、日本文化の魅力を盛り込み新たなガレットの楽しみ方を提示、また素晴らしい日本の生産者を広めていくことができるのではというコンセプトのもとこのスタイルに至った。

日本から発信する全く新しいガレットと国産のクラフトシードル。親しみの深い海外の人にも、日本の人にもその新たな魅力を知ってもらいたい。一度足を運んでみてはいかがだろうか。

Fleur de Sarrasin(フルール ド サラザン)
住所  :東京都台東区西浅草2-14-2 インパレス 1F
営業時間: 11:45~15:00(14:00L.O)/17:45~23:00(22:00L.O)
     ※緊急事態宣言の関係上随時変動
営業日 :不定休 (公式 Instagram,Facebook で確認)
電話番号: 03-6876-1851

お店のマップはこちら

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