寄り添ったコミュニケーションとナチュラルな空間でいただくこだわりのドリンクと美味しいフード。「カフェミチクサ」

カフェ・喫茶

通り雨の予感。じめっとした曇り空を見上げ、雨具がないことに気づき少し気持ちが焦る。傘を買うか雨宿するか悩みつつ、とぼとぼと歩いているとふと公園が目に映った。曇天の空模様にも関わらず子供が走り回っている姿が裏腹に晴れやかである。和やかな雰囲気に包まれて公園で過ごしたいものの生憎の空模様。悔しい想いで振り返ると、先に赤いレンガの様な外壁のカフェがあった。大きなガラスから見える店内はまるで公園からそのまま延長線の様な和やかで明るい雰囲気。見ているだけで心が軽くなるような佇まいに惹かれ、足早にお店へと向かった。

公園の延長の様なナチュラルさ

店内に充満する甘く香ばしい焼き菓子とコーヒーの香り。静かで穏やかな空気感がゆったりとした気持ちにさせてくれる。ここはちょうど10年前の2011年の8月にオープン。店主の鈴木氏とパートナーが結婚のタイミングで、もともと好きだったコーヒーと紅茶、お菓子作りを活かしてオープンしたのだという。

目指したのは明るくウェルカムな店構え。オープン前当時20代の店主が想像した入りたいお店は、中の様子が見える暖かな雰囲気のお店だった。一見やおひとり様で個人店に入るのは特に若年層の方々にとって勇気のいることだろう。そんな若者の方や、老若男女の浅草に遊びに来た方がふらっと入りやすいような店構えにしているのだとか。また、ミチクサが構えるこの土地は浅草寺より少し千住方面に行った場所に位置し、地元の方からは観音裏。最近では奥浅草と呼ばれる浅草の言わば穴場的なスポットである。一帯は基本住宅街で、ミチクサの目の前には公園。近くには幼稚園、小学校があり、ご家族が多く住んでいる。そのため、お客様の中心は自然と親子連れやお母様方が多くなってくるのだという。ご家族にも不便なく過ごしていただけるよう、家具はお子様も座りやすく移動もしやすい高さ、質感になっているのだそう。お店に入って感じる優しい雰囲気はお客様への気持ちや意識がそのまま投影されているかのようであった。

挽きたてフレッシュなブレンドコーヒー

和やかな気持ちでメニューに目を落とす。ドリンクだけでもコーヒー、紅茶、フレッシュジュースなど豊富なラインナップである。ミックスジュースや、バナナはちみつミルクなどお子様連れにも嬉しいフレッシュジュースは季節によってメニューが変化するそう。メニューで季節の変化を感じられるのは楽しそうだ。種類豊富な紅茶はパートナーが主に担当しており、たっぷり2杯分ほどの量をポットで提供しているそう。ひとつひとつ楽しんでもらえるよう、工夫を凝らしたドリンクメニュー。中でもコーヒーへのこだわりは驚きであった。

コーヒー豆を選ぶときに重要なのは2つ。幅広く美味しくいただける様に尖った味わいにしないこと。スイーツとの相性を考えたブレンドである。豆の新鮮さが大事と語る鈴木氏はロスや豆の劣化を防ぐため、コクと甘みを出した深入りと軽やかな酸味の浅入りの厳選した2種類のブレンドを提供している。鈴木氏の中で一番良いバランスを考え、重すぎず軽すぎず飲み口はライトにコクを出して、スイーツと混ざった時にどちらかが勝つことが無いようにしているのだ。また、季節によって美味しく感じる味わいが違うそうで、夏は軽めで冬は重めといった様にその時々で変化を持たせている。様々な観点から考え抜かれたブレンド。中でも淹れ方が重要だという。

オーダーを受けてから一杯分の豆を挽き、フレッシュなまま丁寧にハンドドリップで淹れていく。鈴木氏が追及するのはお客様ひとりひとりに合わせた味わいを提供すること。そのため、同じ豆でも淹れる時間やスピードで全く違った味わいにすることができるハンドドリップで淹れているのだという。常連さんになってくると味の好みは注文の傾向や話ているなかでわかってくる。例えば、一口にアメリカンと言っても今のアメリカンと昔のアメリカンは違うそうで、今はライトで酸味の立つ感じを想像するが、昔はブレンドをお湯で薄めて出していたことも多かったそう。ご年配の方々は昔主流だったアメリカンに親しみがある方も多いようで、そういった方にはお湯で薄めずとも当時の味わいに近づける意識をしているそう。ひとりひとりに向き合うことが接客の醍醐味だと話す鈴木氏。コーヒーの飲み方が多様化する今、昔から好きだった喫茶店やカフェの温かいサービスを変わらず残していきたいという。

嬉しい充実のフードメニュー

コーヒーや紅茶に合わせる定番はやはりデザート。焼き菓子を基本にスコーン、チーズケーキ、パウンドケーキ、ワッフルと盛りだくさん。何度来ても飽きの来ないバリエーションかつ初めての人でも選びやすい調度いいメニュー数にしているのだとか。そんなデザートの中でも特に大人にも子供にも大人気なのがパンケーキ。焼き始めるとバターと小麦の芳醇な香りが広がって食べる前から幸せな気持ちになってくるようだ。バナナとシロップが付いたクラシック・パンケーキとアイスとホイップが乗ったクラシック・パンケーキDX、甘酸っぱいミックスベリーのソースがかかったクラシック・パンケーキWベリーの3種類あり、気分によって変えられるのも魅力の1つだ。好きなドリンクと合わせてふんわりとしたパンケーキを一口齧れば甘く幸せな気持ちで満ちてくる。また、デザート以外にランチも充実。メニューはオムライスと日替わりメニュー2種類を提供している。サラダとドリンクがついた大満足のセットで、とろとろとした卵にコクのあるのデミグラスソースがたっぷりかかったオムライスは絶品で大人気だ。

心地の良いコミュニケーション

鈴木氏は、お客様に緩やかな時間を最大限に楽しんで欲しいという。お昼休憩で立ち寄った方がオムライスを食べて午後の仕事への活力にしたり、お茶をしに来たお母さん方が談笑しながらデザートを食べて子供を迎えに行ったり。週末や夜になると遠くから遊びに来たカップルやグループが息抜きに来たり、日本のパンケーキを楽しみに来た外国人観光客であったり。カフェミチクサ副題は「あさよん(浅草4丁目)のゆるやカフェ」。目的あるなしに関係なく、ふらっと緩やかな時間を楽しむということが重要だという。

店名をミチクサ(道草)と付けたのには、道草のある日々の生活が、豊かな人生にもつながるという鈴木氏の考えが現れている。ふらっと立ち寄って知っている人も知らない人も心地よくコミュニケーションを楽しんで帰る。気軽に道草が出来るお店にしたいという想いがあるのだそう。特にここ浅草は取り立ててコミュニケーションが濃ゆい。鈴木氏が浅草に引っ越してきた時。すぐにご近所さんと顔馴染みになり、町内会やお祭りでも周りが周りを巻き込んで見る見るうちに輪が広がっていったという。今まで暮らしていた町ではほとんどなかった繋がり。案外浅草の人々はこの関係が当たり前すぎてあまり自覚がないのだというが、他の地域に住んでいた事もあってかこの濃ゆいコミュニケーションが新鮮で、心地良く感じたという。この街だったら自分の理想のお店ができると、オープンを決意したそう。実際開業する事も1、2人に話していたくらいだったが陰ながら心配していた町内の沢山の人からお花が届いたという。その温かさがこの街の良さでもあるし、その良さを続けていきたいと話していた。

一人一人の生活に寄り添う

この町だからこその温かみや素敵な出来事は沢山。開業当初、お母さんに腕を引かれて来た子供が次第に自分で扉を開けるようになり、更に大きくなって一人で来れるようになって、恋人や友達を連れてくるようになったのだそう。その時、成長してもなお続けて来てくれてる嬉しさとその人の生活に寄り添えてると感じたのだという。寄り添えるお店であると同時にお客様の声を積極的に聞いて一緒に成長していきたいと話していた。

公園の延長のようなナチュラルで明るい雰囲気でいただく美味しいドリンクと美味しいフード。町や人のことを想う鈴木氏だからこそできるミチクサのこの心地の良いコミュニケーションは地元の方はもちろんの事、観光客の方にも味わってほしい。たまにはふらっと道草してみるのはいかがだろうか。

カフェミチクサ
住所  :東京都台東区浅草4-6-5
営業時間: 11:00~19:00 (日曜のみ18:00閉店)
営業日 :金曜日+不定休
電話番号: 03-3876-2004

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